Overview
線維症は、線維芽細胞や線維芽細胞様細胞による細胞外マトリクス(ECM)の過剰蓄積が特徴的で、組織の瘢痕化や細胞機能の低下を引き起こします。これは、肝臓を含む様々な組織で起こる可能性があり、肝星状細胞は線維芽細胞と同様の活性化経路をたどり、肝線維化の一因となると考えられています。
このアプリケーションノートでは、ヒト肺線維芽細胞と肝星状細胞をRASTRUM™ マトリクスにプリント、3D細胞培養モデルを作製しました。このモデルは長期間にわたって細胞の生存性を維持し、RASTRUM™ マトリクスの成分は線維芽細胞を活性化することはありませんでした。線維芽細胞の活性化は、TGF-βの添加によって誘導され、I型コラーゲンの発現を増加させることができました。
Highlights
このアプリケーションノートでは、RASTRUM™ プラットフォームが以下を可能にすることを説明します。
- in vivoに類似したネットワーク形態を持つ3D肺線維芽細胞および肝星状細胞モデルの構築
- 最適化されたRASTRUM™ マトリクスは、線維芽細胞を活性化が可能な状態で維持できる
- TGF-βを介する活性化による線維化モデルの構築
- I型コラーゲンのような細胞外タンパク質などの、線維化マーカーのシームレスな免疫蛍光イメージングと遺伝子発現解析